米国株オプション取引実践記

株式オプションを使ったローストレス資産運用の記録

【運用方法】オプションの基本解説(1)

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このページではオプションとはいったいどういうものなのか?についてオプションの概念から説明していきます。

 

このブログについて

このブログでは米国株オプションを使った資産運用を実践しています。マイナーなオプションという金融商品を使い、ストレスの少ない取引で月平均1%の利益が目標です。

【注意】ティッカーシンボルは先頭1文字だけ公開しています。

オプションはとても奥が深いものですが、あまり深掘りすることなくこのブログで実践する範囲の内容で説明します。

 

オプションとは?

オプションは「権利」です。
権利書を想像してください。権利の中身は一旦置いておき「あること」が出来る権利とします。その権利には有効期限が決められていて、権利書自体に価格が付いていて市場で売買されています。 

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権利書を買う側の立場で考えると?

投資家はお金を払うことでその権利書を市場から買うことができます。
権利書を買った投資家は、様々な状況を考えて「あること」をすることが利益になると判断したら権利を行使することができます。権利を行使して「あること」が実現出来たらその権利は効力を失います。権利には有効期間がありその最終日(満期日や権利行使日と言われます)までの間、いつでも権利行使が行えます。満期日になっても「あること」が利益にならないのであれば、投資家は最終的に権利を放棄することもできます。
いずれの場合も(権利を行使しても放棄しても)権利の購入金額は返ってきません。
また、有効期限の前であれば権利書を市場を通して転売することができます。権利は無くなりますが売却金額を受け取れます。

抽象的な説明をしていますが、権利書があって、それが市場で売買され、権利を持った人はそれを行使しても放棄してもよいという話は、一般的で理解しやすいかと思います。

オプションはまさにこの権利書に相当するものです。オプション(Option)は英語で選択権という意味で、権利を行使するも放棄するも保有者の選択次第ということからきた名前と思われます。

 

権利書を売る立場では?

投資家は証拠金を担保に権利書を市場で売ること(空売り)ができます。その際、権利に付いていた価格を売却益として受け取れます。
権利を売ると「義務」が生じます。権利の買い手が権利行使して「あること」をした場合に、必ず応じなければいけないという義務です。義務ですので逃れることはできません。しかし権利の買い手が権利行使しないまま満期日を過ぎた場合、義務は消滅します。買い手の権利行使に応じてもそうでなくても、権利の売却金額はそのままもらえます。
また、投資家は権利書を市場から買い戻して義務を解消することもできますが、当然買い戻すためにはお金を払う必要があります。

 

権利行使も市場が仲介する

権利書の売買は市場を通して行います。買い手と売り手が直接取引するわけではありません。

買い手が権利行使する際も市場が仲介することになります。権利行使を実行するには、それに応じる売り手を特定しなければいけません。市場のしかるべき機関がしかるべき方法でその売り手を選出します。それを権利の割当と言います。買い手と売り手が定まったところで権利の内容である「あること」の交換が行われます。

ここまでをまとめたのが下の図です。

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権利書を売る立場は、お金を受け取る代わりに義務を背負い、その後の状況を他者の手に委ねるという不自由な立場となります。ですが予め「あること」に応じることを想定して準備さえしておけば、売り手も悪くありません。義務を背負う対価を確実に受け取れるからです。

このブログでは、権利の売り手の立場になり、権利の売却益を積み上げていくやり方で資産運用していきます。なお権利の価格、オプションの価格のことを「オプションプレミアム」あるいは単に「プレミアム」と言います。

 

コールとプットと権利行使価格

ここまでは権利の中身を「あること」としていましたが、その中身の話に移ります。

権利の中身は次の2種類に分かれます。

  1. ①「ある株をある価格で買える権利」⇒ コール
  2. ②「ある株をある価格で売れる権利」⇒ プット

①の買える権利は「コール」、②の売れる権利は「プット」と権利の種類に名前が付けられています。また、ある価格というのは「権利行使価格」と言います。

 

具体例で説明します。
①のコールの一例で「Facebook株を$215で買える権利(有効期限:2020/1/31)」を持っているとします。このコールは「FB Jan31'20 215 Call」と表現され、実際このような名前のオプション銘柄が存在しました。価格(プレミアム)は2020/1/13時点で$8.7です。

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買い手の立場で考える

2020/1/13においてFacebook株自体は$218.0です。
このコールを持っている投資家が1/13に権利行使した場合、コールは$215のFacebook株に転換され、投資家はFacebook株を$215で保有することになります。その時点のFacebook株価が$218.0にも関わらず、「権利行使価格」である$215の株を手にすることが出来るのがこのコールの効力です。
一方この投資家が有効期限まで権利行使せずにコールを保有し続けたとします。満期日におけるFacebook株価終値によって権利行使するかどうかが判断されます。終値が権利行使価格$215を上回っていれば投資家の利益になるので権利行使し、逆に$215を下回っていれば権利を放棄することになります。

②のプットについても考え方は同じです。プットを持っている投資家が権利行使すると、投資家は権利行使価格での株の売り建玉(空売りポジション)を持つことになります。

 

売り手の立場で考える

権利の売り手には、権利割当された場合に必ず応じなければいけないという義務が生じます。
上記のコール「FB Jan31'20 215 Call」の例ですと、このコールを売った投資家が権利割当された場合、買い手にFacebook株を$215で引き渡す義務を果たした結果、同株の$215での売り建玉(空売りポジション)を持つことになります。買い手が1/13に権利行使したとすると、株価は$218.0なのでいきなり含み損状態の建玉を持つのですが、義務ですので逃れられません。
一方、買い手が権利を行使することなく時間が過ぎて最終的に権利を放棄した場合、この投資家の義務は消滅します。満期日においてFacebook株価終値が$215を下回っていた場合です。

②のプットも同じ考え方で、プットの売り手は権利行使に応じた結果、株の権利行使価格での買い建玉を持つことになります。

 

ここまでのまとめ

当ブログではオプションの売りしか行いません。コール売り、プット売りのみです。
次の点がここまでの話のまとめです。

  • コールやプットを売るとプレミアムをもらえる
  • コール売りは、権利割当されると株の権利行使価格での売り建玉を保有
  • コール売りは、満期日の株価終値が権利行使価格より下なら義務は消滅
  • プット売りは、権利割当されると株の権利行使価格での買い建玉を保有
  • プット売りは、満期日の株価終値が権利行使価格より上なら義務は消滅
  • コール売りもプット売りも買い戻すことで義務を解消できる

 

ティッカーシンボルについて

米国市場では上場企業を識別するものとしてティッカーシンボルが使われます。日本市場の証券コードと同じ役割です。企業名をアルファベット1~4桁程度に短縮したものが多く、FacebookはFB、MicrosoftはMSFT、AppleはAAPLなどです。日本の証券コード(数字4桁)より企業名を連想しやすく馴染みやすいと感じます。

 

オプションチェーン

一口にオプションと言っても銘柄レベルでいうと膨大な数が存在します。

上記の「FB Jan31'20 215 Call」は一つの例で、Facebook株を$215で買える有効期限2020/1/31のコールでした。

Facebook株を対象にしたオプションだけでもその数は
  種別(コール/プット) × 権利行使価格 × 満期日

と非常に多く存在し、すべてのオプションの価格がFacebook株価を基準にそれに連動して独自の値動きをします。

オプションの派生元となるもの(ここではFacebook株)を「原資産」と言い、同じ原資産から派生した多数のオプションの連なりを「オプションチェーン」と言います。オプションチェーンには、投資家に分かり易いようオプションがテーブル状に並べて配置されて、各オプションの価格情報等が表示されます。

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オプションチェーンの一部(原資産Facebook、2020/1/13時点)

上の原資産Facebookのオプションチェーンを見ると、権利行使価格は$2.5刻みで設定されていることが分かります。また満期日は1週間毎(毎週金曜日)です。これらは原資産によって異なります。権利行使価格は株価水準によって$1.0刻みだったり$0.5刻みになりますし、満期日が1ヵ月毎の原資産もあります。

 

取引数量について

米国市場では株式は100株単位での取引が基本です。1株での売買もできるようですが基本は100株単位です。オプションは1枚単位の取引なのですが、1枚のオプションが権利行使により100株に転換されます。はじめは戸惑いますがルールとして「オプション1枚は株式100株」と覚えてください。
またオプションは価格を100倍した金額で取引されます。「FB Jan31'20 215 Call」が$8.7 の時、売却すると$870の利益を得られます。これもルールとして覚える必要があります。

 

まとめ

このページではオプションの概念を説明し、オプションが株式とどのように関わるのかを説明しました。オプションを権利行使すると権利行使価格の株式に転換されるということです。オプションの売り手にとっては満期日における原資産終値が重要になります。権利割当となるのか義務消滅となるのかが判断されるからです。
またオプションは銘柄レベルでは多数存在すること、オプションチェーンでプレミアムを確認できることを説明しました。

 

次のページ「オプションの基本解説(2)」ではオプション価格(プレミアム)について深掘りし、値動きの特徴を説明します。