このページではIB証券の取引ツールであるTWS(Trader Workstation)の使い方について説明します。
このブログについて
このブログでは米国株オプションを使った資産運用を実践しています。マイナーなオプションという金融商品を使い、ストレスの少ない取引で月平均1%の利益が目標です。
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TWSは非常に高機能なツールなのですが、あまりに高度なため最初は戸惑うのではないかと思います。これからTWSを使い始める方を対象として、次にあげる一連の操作を説明していくことで、TWSでどういう手順で取引を行うのかをイメージしていただければと考えています。
デモ口座(ペーパートレーディング)での操作になります。デモ口座には最初、日本円が5,000,000円ある状態にしています。次の一連の取引で現金残高がどう変わっていくかも説明していきます。
- TWSの初期画面
- JPYからUSDに両替
- 「お気に入り」へ監視銘柄を登録
- オプション・チェーンを配置
- オプションを売る
- 株を買う
- ポジションを決済する
1. TWSの初期画面
TWSを初めて起動したときは次のような画面構成になっています。以降の操作は主に3つの画面を使います。
(a)「注文エントリー」画面で取引の発注を行います。
(b)「アクティビティ」画面に発注した注文の状況が表示されます。
(c)「モニター」画面では「ポートフォリオ」タブで保有資産の状況が、「お気に入り」タブで監視銘柄の状況が確認できます。
2. JPYからUSDに両替
口座内の現金は通貨毎に管理します。現時点で口座には日本円(JPY)が5,000,000円、米ドル(USD)はゼロの状態です。
株やオプションの取引はUSDの方で行われます。口座内にJPYしかない場合、取引に必要なUSDの借入が自動的に行われます。金利が発生しますし、取引の度に為替の影響を受けますので、最初にJPYからUSDに両替しておきます。
ここではJPY3,000,000分をUSDに両替してみます。
「注文エントリー」画面の(a)銘柄欄に"USD.JPY"と入力し、(b)売買種別で"買い"を選びます。
(c)アドバンスをクリックして表示された画面で(d)"FXCONV"を選び、再度(c)アドバンスを押して閉じます。
通常の両替の場合は"FXCONV"を選びます。"IDEALPRO"を選ぶと、両替したUSDがポートフォリオ上に、一つの銘柄を保有したように表示されます(バーチャルFXポジションと言うようです)。表示のされ方の違いであって、"IDEALPRO"でも"FXCONV"でもUSDを購入することに変わりはなく、きちんとUSDの現金残高は増えます。
(e)数量欄をクリックして(f)"JPY"を選びます。
その後、(e)数量欄に"3M"と入力します。Mは百万の単位を表します(Kは千の単位)。これでJPY3,000,000分のUSDを買う設定ができました。
(g)発注方法は"LMT"(指値)のまま、(h)指値欄に適切なレートを入れて(ここでは109.880)、(i)発注ボタンを押して発注を実行します。
「アクティビティ」画面には注文内容が表示されます。以下の表示は、レート109.878でUSD 27,303通貨の購入注文が完了したことを表します。
「モニター」画面の「ポートフォリオ」タブには資産状況が表示されます。JPYは最初5,000,000円ありましたが両替分(109.878×27,303通貨+手数料2ドル)が減っています。
3. 「お気に入り」へ監視銘柄を登録
「モニター」画面の「お気に入り」タブに監視したい銘柄を登録することができます。ALPHABET(ティッカーシンボル:GOOGL)を追加してみます。
空行をクリックして(a)空白ボックスに"GOOGL"と入力しENTERを押します。
銘柄の候補が出てきますので一番上の(b)"株式(SMART)"を選択すると、銘柄が登録できます。
登録銘柄は表示位置を変更できます。"GOOGL"をドラッグアンドドロップすると、表示位置を移動できます。
4. オプション・チェーンを配置
オプション取引にはオプション・チェーンが欠かせません。次の手順で画面レイアウトを変更してオプション・チェーンを配置します。
TWS画面右上部にある(a)「レイアウトロック」を押して"アンロック"状態にします。
「モニター」画面の(b)枠をマウスで掴み引き上げることで表示領域を小さくします。また(c)「新規ウィンドウ」から(d)"オプション・チェーン"を選択します。
新しく表示された(e)「オプション・チェーン」画面を「モニター」下の空いたスペースに収まるよう配置します。その後(a)「レイアウトアンロック」を押して”ロック"状態に戻します。
5. オプションを売る
Facebook株のオプション"FB Feb21'20 212.5 Put"を1枚売ってみます。
「モニター」画面の「お気に入り」タブから(a)"FB"を選択します。
「オプション・チェーン」画面上で、(b)満期"FEB 21 '20"、(c)権利行使価格"212.5"のプットの行をクリックします。
もっと先の満期のオプションを確認したい場合は、画面を下にスクロールすると表示されるようになります。
また他の権利行使価格のオプションを確認したい場合は、(d)「権利行使価格」を押すと、オプション・チェーンに表示する権利行使価格を選べます。
「注文エントリー」画面の銘柄欄に"FB Feb21'20 212.5 Put"が反映されます。(e)売買種別を"売り"にして、(f)数量は"1"のまま、(g)発注方法は"LMT"(指値)のまま、(h)指値を適切な価格に設定します。(i)発注ボタンを押して発注を実行します。
「アクティビティ」画面に注文状況が表示されます。以下は注文が約定されたことを表します。指値0.61の注文でしたが0.64で売れています。
「モニター」画面の「ポートフォリオ」に保有ポジションが反映されます。売りポジションは"-1"とマイナス表示されます。
(j)「平均価格」はポジションの取得価格で、取引手数料が加味されて0.624と表示されています。
(k)「USD現金」は、手数料が引かれたオプション売却益62.4ドル分(売却単価0.64×100倍-手数料)が増えています(27,303⇒27,365)。オプションを売ると即座に売却金がUSD現金にプラスされます。
6. 株を買う
次に、Facebook株を100株買ってみます。
「注文エントリー」画面の(a)銘柄欄を"FB"にして、(b)売買種別は"買い"、(c)数量は"100"のまま、(d)発注方法は今回は"MKT"(成行)にして、(e)発注します。
「アクティビティ」画面で結果が分かります。100株が216.98ドルで約定していました。
「モニター」画面の「ポートフォリオ」にFB株が反映されています。
(f)「平均価格」は、取引手数料が加味され216.99ドルで取得したことになっています。
(g)「USD現金」は株購入金額21,699ドル分(購入単価216.98×100株+手数料)が減っています(27,365⇒5,666)。
7. ポジションを決済する
先ほど売ったオプション"FB Feb21'20 212.5 Put"を決済(買戻し)してみます。
「モニター」画面の「ポートフォリオ」に表示されているオプションを右クリックすると、保有ポジションに対する操作ボタンが表示されるので、(a)"クローズ"を選択します。
「注文エントリー」画面は一時的に「ポジションのクローズ」に名前が変わり、ポジションの状況が反映されます。売りポジションのクローズなので、(b)売買種別は"買い"に設定され、(c)数量は保有数量である"1"が設定されます。後は新規発注と同様です。発注方法や指値を適切に設定して(d)発注ボタンで発注を実行します。
「モニター」画面の「ポートフォリオ」ではポジションが"0"に変わり無くなったことが分かります。なお発注の結果0.74ドルで約定したので、買戻し金額75ドル分(単価0.74×100倍+手数料)がUSD現金から差し引かれています(5,666⇒5,591)。
以上、ここまでTWSを使用したオプションや株の取引方法を説明してきました。
最初はデモ口座(ペーパートレーディング)でTWSを試してみるのも有効と思います。
TWSの操作や取引を繰り返して次第に慣れていくなかで、TWSの他の機能を取り入れながら独自の取引環境を作っていくことができます。是非ともチャレンジしていただきたいです。